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2008年11月 5日 (水)

お町の奴、怒りやがったが可愛い奴よ

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国定忠治の無頼日記64   天保6年(1835)7月~26歳

ひとっ風呂浴びて旅の垢を流して、さっぱりした後、軍師から今の状況を聞いて、御隠居(紋次)に挨拶をして、それから国定村に帰ったんさ。

先にお町に会うか、お鶴に会うか迷ったけどな、やっぱり筋道は通さなけりゃ、子分どもに示しがつかねえって思って、本妻のお鶴の方を先にしたのよ。

お袋もお鶴も元気そうだったぜ。秋の養蚕が始まって、忙しそうに働いていたよ。その夜はお鶴をたっぷりと可愛がって、次の日、お町んちに行ったんさ。

お町の奴、「一晩中、待ってたのに、何よ」って、すげえ顔して怒りやがった。箒を振り回して追い立てやがるんで、仕方なく、嘉藤太んちに逃げたんさ。

旅の話を聞かせた後、嘉藤太が頼みがあるって言ったんさ。何かと思ったら、一家の名前を百々一家から国定一家に変えてくれって言うんだ。国定村のみんなも、おらが村の親分が百々村にいたんじゃ面白くねえ。こっちで一家を構えてくれってな。

それも悪かアねえたア思うが、御隠居もいる事だし、すぐには無理だんべえが、そのうち考えるって俺は答えて、ちっと一眠りしたら、もう夕方になっていやがった。

お町んちに行って、まだ怒ってるかと様子を探ったら、お町の奴、縁側でしょんぼりしていやがった。俺が声を掛けたら、顔をふくらませたけど、にっこり笑って「お帰りなさい」って言ったよ。

まったく可愛い奴よ。酒を飲みながら、お町に旅の話を聞かせて、勿論、野沢のお篠の事は隠したけどな、のんびりと過ごして旅の疲れを取ったんさ。

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