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2007年9月17日 (月)

境宿の小町が行方知れずになっちまった



国定忠治の無頼日記51    天保5年(1834)3月8日~25歳

歌川貞利の美人絵に描かれた境宿の小町、高砂屋のお常が、7日の昼頃に出かけたまんま、帰ってこねえから捜してくれって、お常の兄貴が百々一家に駆け込んできやがった。

小町が消えたとあっちゃア、何としてでも捜しださなきゃならねえや。

兄貴の話によると、お常は「中瀬のしんさん」に会いに行くって言ったそうだ。しかし、その「中瀬のしんさん」てえのが誰だかわからねえと言う。

美人絵に描かれたお常はもう有名になっちまって、市が開かれる日なんざ、男どもが一目見たさに高砂屋に集まって来ていたらしい。中には人相のよくねえ奴らもかなりいたんで、もしかしたら、そんな奴らにさらわれちまったんじゃねえかって、兄貴は心配していたが、なアに、すぐに見つかるだんべえ。

俺は軍師と相談して、保泉の久次郎に絶対にお常を捜し出せって命じたんさ。なにせ、お常の親父が伊三郎の野郎にお常捜しを頼んだようだ。伊三郎なんかに負けちゃアいられねえ。境宿の事は百々一家が仕切らなきゃならねえのさ。


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