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2006年9月11日 (月)

伊三郎の弱みは女好きだってよ

伊三郎の妾

国定忠治の無頼日記39   天保2年(1831)10月~22歳

島村の伊三郎んとこに行ってたおりん姉さんが帰って来たんは一年近く経ってからだった。

予定じゃア半年もありゃア、伊三郎の弱みは握れるだんべって思ってたんだけどよお、伊三郎の奴がおりん姉さんを離さなかったらしい。おりん姉さんは伊三郎んとこで、二人の女壷振りを育てて、やっと開放されたってわけさ。

帰って来たおりん姉さんは境宿にいるとうまくねえんで、田部井村の方に隠れたんさ。

おりん姉さんの話だと、伊三郎の奴の弱みは見当たらねえらしい。てめえの手で人を殺した事もねえし、人から恨まれてる事もねえし、利根川で働く船頭や人足たちには信頼されているという。唯一の弱みは女好きで、若え妾が何人もいるらしい。

それとな、島村一家は本家と分家に分かれていて、本家は十手持ちとしての伊三郎の表の顔で、賭場は開いちゃアいねえ。分家ってえのは賭場を開いている九人の代貸たちの事で、まあ、小せえ一家の親分みてえなもんだ。伊三郎は若え者を見張り役として、代貸のもとに派遣してるらしい。

そういう組織ならうまくやりゃア、島村一家を潰す事もできるかもしれねえって、円蔵さんは言ったぜ。

まあ、あせにず、じっくりと腰を落ち着けて、やがては、島村一家をぶっ潰して、伊三郎のシマはすべて百々一家のものにしてやるぜ。

侠客 国定忠次一代記

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