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2006年7月14日 (金)

お町の奴、アネサンて呼ばれて、上機嫌よ

姐御 あねご

国定忠治の無頼日記37   文政13年(1830)10月~21歳


嘉藤太んちで暮らしていたお町なんだけどな、嘉藤太んちで賭場が開かれるようになってから居場所がなくなっちまって、近くに空き家があったんで、そっちに移る事になったんさ。

お町の奴、子分たちから、アネサン、アネサンて呼ばれて、結構、いい気分でいるみてえだぜ。子分どもも、お町に頼まれりゃア、ヘイ、ヘイって二つ返事で何でも言う事を聞いてるんさ。

最近、三下奴になった下植木村の浅次郎なんざ、お町お気に入りの使い走りよ。浅次郎の方も槍の稽古に励んで、命に代えてもアネサンは守りますって張り切ってるんさ。まったく、頼もしい奴だぜ。

まあ、こじんまりとしたうちだけどよ、たまに帰って来て、のんびりするには丁度いい塩梅ってもんだ。

おりん姉さんに仕込まれたお辰の壷振りは思った以上にうまく行ってるぜ。伊三郎んとこの賭場は毎日、閑古鳥が鳴いてるよ。

伊三郎の奴、俺たちの真似して、てめえの妾に壷を振らせたんだが、うまくは行かねえ。いくら器量よしでも、修行を積んでねえオナゴじゃ、賭場が締まらねえのよ。これじゃア、まともな勝負はできねえって、いい客にゃア逃げられるし、片肌脱いで片膝立てたオナゴを拝みに来る冷やかし客ばかりが集まって来るしで散々な目に会ったらしいぜ。

伊三郎の奴、どうしたらいいだんべえって頭を抱えて、子分どもに八つ当たりしてるようだ。いい気味ってもんさ。

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