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2006年4月 6日 (木)

はらわたが煮えくり返ったぜ、くそったれが!

国定忠治の無頼日記.27   文政13年(1830)5月11日~21歳

お町と会って、いい気分で帰って来たら、みんながさえねえ面して集まっていたんだ。

何があったんだって三下の清蔵に聞いてみたら、代貸の助次郎兄貴惣次郎兄貴が裏切って、伊三郎んとこに行っちまったってえじゃねえか。

信じられなかったが、本当だったんだぜ。しかも、その二人は自分の子分たちも引き連れて行っちまったんだ。まあ、たまげたねえ。そんなことが起こるたア夢にも思わなかったぜ。

いつもなら、裏切り者は許せねえって、いきり立っているはずの新五郎兄貴も、これだけの人数じゃアどうしょうもねえって、情けねえ顔をしてたよ。

俺は文蔵兄貴に殴り込みをかけべえって言ったんだけどよお、文蔵兄貴も乗っちゃア来なかった。伊三郎の奴はいつも大勢の子分に囲まれていて手出しができねえって言うんだ。

このままじゃア気が治まらねえ。何とか、仕返しをしなきゃならねえって夜遅くまで考えたんだが、いい考えは浮かばなかったよ。今は敵も警戒してるから、油断するまで待つべえってことになったんさ。

次の日は市日で、伊三郎の子分どもが当然といった顔で境宿にやって来て、大黒屋、佐野屋、桐屋の三ヶ所で賭場を開きやがった。百々一家の賭場は伊勢屋の一ヶ所だけになっちまったんだ。まったく、情けねえこった。

伊三郎の子分どもはでけえ面して境宿を歩いていやがったが、紋次親分の厳命で、俺たちゃ手が出せなかったんだ。騒ぎを起こしたら、縁を切るって言われてたんだ。

はらわたが煮えくり返るほど悔しかったぜ。くそったれが!

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