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2006年3月11日 (土)

文蔵兄貴はムチャクチャだがよお、いい兄貴だぜ

菅原文太 人斬り与太     現代やくざ 人斬り与太 

国定忠治の無頼日記.17   文政10年(1827)10月15日~18歳

久次郎が俺の事を三ツ木の文蔵兄貴に紹介したら、「ほう、おめえが国定村の忠治かい。前から会ってみてえって思ってたんだ。まずは、兄弟分の盃を交わそうじゃねえか」って俺を居酒屋に連れてってくれたんだ。

昼真っから酒を飲みながら、兄貴は色んな事を教えてくれたよ。その後、平塚まで行って、素人衆がやってる賭場を荒らして、銭を巻き上げたんだ。

まったく、兄貴のやる事ア、ムチャクチャだぜ。

島村一家の縄張りに乗り込んで、島村一家の子分に成りすまして、「島村の親分の許しを得て博奕を打ってんのか」って、脅して銭を巻き上げたんだ。親分や兄貴たちには内緒で、ちょくちょくやってるらしい。

兄貴の話によると、島村の伊三郎親分は百々一家の縄張りの境宿を狙ってるんだそうだ。伊三郎は十手(じって)を持っていて、そいつをチラつかせて、どんどん縄張りを広げてるらしい。

二足の草鞋(わらじ)を履いてる奴は裏できったねえ事をしてるに決まってらア。そんな奴をのさばらしておくわけにゃア行かねえんだ、って兄貴は息巻いてたよ。

巻き上げた銭で、木崎宿に繰り出して、飯盛(めしもり)女のいる旅籠屋に上がったんだ。兄貴は馴染みのおたねってえ娘がいて、俺の相方はお寅って娘だった。名前は勇ましいが、あどけねえ顔をした可愛い娘だったぜ。

俺も何度か木崎で飯盛女を揚げた事アあったが、いつも厚化粧にごまかされて、朝になったらガッカリしたもんだが、お寅はほんとに可愛い娘だったぜ。兄貴のお陰でいい娘に巡り会えたと喜んだんさ。

巻き上げた銭を全部使って、その夜はドンチャン騒ぎよ。いい兄貴にめぐり会えてよかったって、俺アしんから思ったぜ。文蔵兄貴は若え頃の菅原文太さんてとこだんべ。

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