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2006年3月28日 (火)

二人の機嫌を取りながら、うまくやってるのさ

国定忠治の無頼日記.24   文政12年(1829)5月~20歳

鯉のぼり

あっという間に1年が過ぎちまった。

俺の顔もちったア売れて来たんだぜ。何かが起こりゃア、文蔵兄貴と一緒にすっ飛んで行って解決してやってるんさ。絹市の揉め事や、飲み屋の喧嘩騒ぎ、ゆすりにたかり、下らねえ夫婦喧嘩まで解決してやってるんさ。まあ、それなりの礼金とやらも貰えるんでな、俺たちゃ、すぐに飛んで行くのよ。

文蔵兄貴は相変わらず、木崎宿の女郎屋に通ってるけど、俺ア付き合わなかったよ。何てったって、お町の奴が待っててくれるんだもんな。女郎なんかに用はねえってことよ。

お町は俺が帰ると名主んちから嘉藤太んちにやって来ていたんだけどよお、とうとう、俺と会ってる事がばれちまってな、名主に猛反対されたんだ。以前のお町だったら、名主に逆らえなかったけど、今のお町は昔とは違わア。名主んちを飛び出して、嘉藤太んちに戻って来たんさ。

俺ア暇さえありゃア、お町に会いに飛んで行くのよ。勿論、お鶴んとこにだって、たまにゃア帰るさ。

お鶴はやっぱり、お町の事を知ってたんだ。俺がお町に会った事を知ると泣きながら怒りやがった。でもよお、別れるたア言わなかったよ。

俺はよく考えてみた。お町と一緒になりてえが、お町はおふくろと一緒に養蚕や機織りをやるようなガラじゃねえ。俺としてもそんな事アさせたかねえ。お鶴にはおふくろの面倒を見てもらって、お町には、俺が一家を張った時に、あねさんとして子分たちの面倒を見てもらうべえって思ったんだ。

俺ア二人の機嫌を取りながら、うまくやってるってわけさ。

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