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2006年3月24日 (金)

もう、二度と離さねえぜ

お町

国定忠治の無頼日記.23   文政11年(1828)4月~19歳

奥座敷で、しょんぼりと座っていたお町は俺の顔を見ると微かに笑ったよ。娘時代のような派手な着物は着てなかったけど、笑顔は昔のままだったぜ。

俺ア「やあ」と言って、お町の向かいに座ったんさ。なぜか、かしこまっちまったぜ。

お町は三年前より綺麗になっていた。苦労したとみえて、少しやつれたような感じもしたけど、かえって、色っぽくなったように思えたぜ。

一目見た瞬間に、俺ア、もう二度とお町を離したくはねえって思ったんさ。

「お久し振りです」ってお町は言った。

俺アまるでガキの頃に戻ったかのように胸がドキドキしてきやがった。

俺ア思わず、「会いたかったぜ」って言ったよ。

お町は、「バカだったわ。あなたのお嫁さんになってればよかった」って言ったんだ。

俺ア夢を見てる気持ちでお町を見てたよ。そして、「おめえのために、お鶴とは別れる」って言っちまった。素面じゃア照れくせえんで、その後、一緒に酒を飲んだんさ。

いつの間にか、嘉藤太の奴はいなくなっていた。まったく、にくい事をしやがるぜ。

俺たちゃ、離れていた三年間の事を話し合って、その後はお決まりよ。夢のような時を過ごしたんさ。

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