« 俺ア思わず、抱きしめたのさ | トップページ | 畜生め、あいつの事を思い出しちまったぜ »

2006年2月25日 (土)

奴らがよ、貫禄上げたなアって言いやがったぜ

浮かれ鳥

国定忠治の無頼日記.13   文政10年(1827)秋~18歳

一年振りの国定村は随分と変わっていやがったぜ。

三室の勘助ってえ、俺たちの兄貴分がいたんだが、なんと、堅気になって代官所に勤めてるたア、おったまげたねえ。

俺が故郷(くに)を出た頃、兄貴は一家を張るって言ってたんだ。清五郎富五郎の奴らは兄貴の子分になったんだが、情けねえって盃を突っ返したってえじゃねえか。

俺が久宮(くぐう)一家の客人を殺した後、久宮一家の連中が田部井(ためがい)や国定にやって来て、俺を捜し回っていたらしい。勘助の兄貴は俺をかばうわけでもなく、俺なんか知らねえって、三室に帰っちまったんだそうだ。

今じゃア、久宮一家が国定までのさばって来て、でけえ面して賭場(とば)を開いているという。

清五と富五は俺が栄五郎親分の子分になって、一家を張るために戻って来たと勘違えしていやがった。

俺の姿をジロジロ見て、貫禄を上げたなアって言いやがった。まア俺もそれなりの修行をして来たからな、まだ貫禄があるたア思えねえが、嬉しかったよ。

そしてな、俺に久宮一家の野郎どもを国定と田部井から追い出してくれって、真面目な面して言いやがるんだ。千代松も、お町の兄貴の嘉藤太も俺の子分になるなんて言っていやがる。

まったく、どうなっちまったんでえ。

みんなから、そう頼りにされちゃア、いやとは言えねえやな。

俺はもうちっと待ってくれって言ったよ。栄五郎親分さんに言われたように、百々(どうどう)村の紋次親分とこで修行を積んでから一家を張るから、待ってろって言っちまったぜ。

俺ア二人に手を振って、真っすぐに百々村に向かったんさ

|

« 俺ア思わず、抱きしめたのさ | トップページ | 畜生め、あいつの事を思い出しちまったぜ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/44960/825040

この記事へのトラックバック一覧です: 奴らがよ、貫禄上げたなアって言いやがったぜ :

« 俺ア思わず、抱きしめたのさ | トップページ | 畜生め、あいつの事を思い出しちまったぜ »